灰B-CASカード

デジタル放送を受信するために必要なB-CASカードに赤と青、それと店頭用の白があることは皆さんもご存知だと思いますが、灰色B-CASカードがあるのをご存知ですか?

これは業務用のB-CASカードで、測定器などに使われます。

ERB放送センターでも、マスプロ電工のデジタルレベルチェッカー「LCV3」を導入したところ、この灰B-CASカードが付属してきました。

ご覧になったことがない方が多いと思いますので、写真を掲載します。

Graybcas

LCV3では、早速ERBテレビの信号を測定してみました。

Lcv3_1

LCV3では映像・音声の確認もできるので便利です。

Lcv3_2

[ラボ]ND16問題を可視化してみる

ERB放送センターでも電話機を交換したところ、「ND16問題」が発生しました。

「ND16問題」とは、コードレス電話機などが発する電波がCSのトランスポンダー16の信号に干渉する現象のことで、Googleで検索すると、多くの方が経験されています。

そこで、測定器を使ってこのND16問題を可視化してみました。

まず、正常時。

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BER(ビットエラーレート)はPre(リードソロモン復号前)・Post(リードソロモン復号後)とも、0.0E+0(0.0×100、つまり0)で受信に問題はありません。

つづいて、測定器のすぐそばにコードレス電話の子機を近づけて発信した直後の状態。

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BERのPreが3.9E-2(3.9×10-2)、Postが1E-3(1×10-3)と盛大に大きくなっています。
一般にBER値は2.00E-4(2.00×10-4)以下であれば受信可能とされていますから、もう受信不可です。

さらに、発信操作を続けたときの状態が次の図。

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LEVELは干渉電波の分も含んでいるためか若干上昇していますが、BERのみならず、C/N(キャリア/ノイズ比)までが「-」(測定不能)になっています。

というわけで、測定器レベルでもND16問題ははっきりと確認できました。
おそるべしコードレス電話機。